FXでテクニカル分析を勉強しているけど、勝率が安定しない。
SMA・EMA・MACD・RSIとか、いろいろ試したけど全部いまいち。
『テクニカル分析を勉強しても意味ない』っていう話も聞くし、テクニカル分析って意味ないのかな。
こんな悩みを解決できる記事を用意しました。
一生懸命テクニカル分析を勉強したけど勝てるようにならない、という人は結構多いと思います。
そのため、『テクニカル分析を勉強しても意味ない』というコメントも見かけます。
しかし、これは全くの誤解。
実際、私は株や仮想通貨もトレードしていますが、FXほどテクニカル分析が効果を発揮する投資は他にないと思っています。
この記事では、FXで『テクニカル分析を勉強しても意味ない』と言われる理由とその誤解、そして正しいテクニカル分析の方法を解説していきます。
この記事で紹介する正しいテクニカル分析の方法を理解して実践すれば、各段にFXの実力がつきます。ぜひ、最後までお付き合いください。
では、いきましょう。
FXで『テクニカル分析を勉強しても意味ない』と言われる理由とその誤解
『FXでテクニカル分析をしているけど、勝率が安定しない。』
ややネタバレ気味ですが、このモヤモヤへの答えを先にお伝えします。
この悩みを抱えている人は、以下のどれかに当てはまっている可能性が高いです。
それでは、『テクニカル分析』と、そこから生み出される『手法(トレードルール)』に対する誤解を、以下の順で解説していきます。
- FXで『テクニカル分析を勉強しても意味ない』という人の誤解
- FXでテクニカル分析が必要な理由
- 正しいテクニカル分析の方法
では、順番にいきましょう。
FXで『テクニカル分析を勉強しても意味ない』という人の誤解
では、まずFXで『テクニカル分析を勉強しても意味ない』という人の誤解から。
それは、この3つです。
- 誤解①:条件が満たされれば100%想定通りの結果になるという思い込み
- 誤解②:どの相場にも当てはまる万能な手法があるという誤解
- 誤解③:インジケーターへの信頼
では、順番に。
誤解①:条件が満たされれば100%想定通りの結果になるという思い込み
誤解の1つ目は、『条件が満たされれば100%想定通りの結果になるという思い込み』です。
つまり勝率100%を期待してしまっていて、期待通りにならない場合の想定が足りない、ということ。
具体的に、ダブルトップの例で解説します。
ダブルトップはトレンド転換のシグナルで、本などを読むと『ダブルトップができたら売れ』という書き方がされています。
しかし、実際は、ダブルトップが形成中に崩れてトレンドが継続したり、そのままレンジに移行したり、という相場は結構頻繁にあります。
慣れたFXトレーダーは、そのことを知っていて、ダブルトップが成立したのか、ダブルトップが崩れたのか、をとても丁寧に観察しています。
しかし、初心者トレーダーは、
トレーダー
レジスタンス付近で、2つ目の高値が1つ目の高値を超えられなかった。
これはダブルトップだ。売りでエントリー。ポチッ。
のように、『ダブルトップ』=『相場転換』と決めつけがちです。
そのため、実際そうならないと『テクニカル分析を勉強しても意味ない』という気持ちになってしまいます。
誤解②:どの相場にも当てはまる万能な手法があるという誤解
誤解の2つ目は、『どの相場にも当てはまる万能な手法があるという誤解』です。
FX初心者のころは、同じ手法でトレンド相場でもレンジ相場でもトレードしがちですが、これは大きな間違い。
トレンド相場で効果的な手法は、レンジ相場ではあまり機能しません。
なぜなら、トレンド相場とレンジ相場は相場環境が全く違うからです。
例えば、レンジ相場は、レンジの上限で売り、レンジの下限で買いという、いわば逆張りのような手法が効果的です。なので、順張りが得意なインジケーターである移動平均線やMACDはレンジ相場では無力です。
一方で、トレンド相場では、トレンドに対して順張りしていく手法が効果的なので、移動平均線やMACDが機能しやすくなります。
誤解③:インジケーターへの信頼
誤解の3つ目は、『インジケーターへの信頼』です。
一般的に、テクニカル分析=インジケーターを使った分析、という誤解があるように思います。しかし、インジケーターはあくまでテクニカル分析の補助ツールでしかありません。
インジケーターに固執してしまうと、インジケーターをどう組み合わせれば勝率が上がるかという考えに終始してしまい、本来やるべき視点でのテクニカル分析がおろそかになりがちです。(後半で解説していますが、テクニカル分析の真の目的は、チャートから相場の投資家心理を読み取ることです。)
さらに言うと、インジケーターは沼です。
インジケーターのパラメーター設定のパターンは無限にありますし、人ごとにおすすめの設定も違います。これに例えば、MACDとRSI、ボリンジャーバンドのようなインジケーター同士の組み合わせパターンも加わり、完全に沼にハマります。
ここまでを復習すると、
ということが大事です。
FXでテクニカル分析が必要な理由【勉強しても意味ないは誤解】
それでは、FXでテクニカル分析が必要な理由を、改めて確認しておきましょう。
- 理由①:相場の値動きの理由が説明できるようになる
- 理由②:勝ちやすい相場がわかるので勝率が上がる
- 理由③:エントリー・利確・損切りの精度が上がる
- 理由④:結果、トレードが安定する
この4つです。
では、順番にいきましょう。
理由①:相場の値動きの理由が説明できるようになる
理由の1つ目は、『相場の値動きの理由が説明できるようになる』です。
テクニカル分析を極めるということは、言い方を変えれば、相場の値動きの理由が説明できるようになるということです。
テクニカル分析を勉強すると、ローソク足の形や動き方(プライスアクションといいます)で、相場にいる投資家心理を読み取ることができるようになります。
理由②:勝ちやすい相場がわかるので勝率が上がる
理由の2つ目は、『勝ちやすい相場がわかるので勝率が上がる』です。
テクニカル分析を勉強することで投資家心理がわかるようになるので、みんなが同じ方向を向いているタイミングというのが把握できるようになります。
例えば、買いを続けてきた人たちが諦めロスカットするタイミング(売り注文)、そしてそれに合わせて『待ってました』と新規売り派が売りをかぶせてくるタイミング(これも売り注文)。
このようなタイミングを把握できれば、もちろん売りで入っていけば勝ちやすいです。
勝てているトレーダーは、テクニカル分析からこういった相場の投資家心理を読み取り、勝ちやすい相場を選んでトレードしています。
理由③:エントリー・利確・損切りの精度が上がる
理由の3つ目は、『エントリー・利確・損切りの精度が上がる』です。
テクニカル分析で分析するものは、大きく分けると『時間』と『値段』です。
言い換えると、『どのタイミングで、いくらで入るか・出るか』を分析するということ。
テクニカル分析の勉強というと、どうしても『いくらで入るか・出るか』という『値段』にばかり注目しがちですが、値段と同じくらい『いつ入るか』という『時間』の分析が、トレードの精度を上げるうえで大切です。
例えば、あなたは次の2パターンのどちらを選びますか。
- ドル円を21時に110円で買って、22時に110.5円になった。
- ドル円を10時に110円で買って、22時に110.5円になった。
値段に注目すると結末は変わらず、0.5円(50pips)の利益が出ています。
しかし、絶対に(1)のほうがいいはず。
なぜなら、ポジションを長く持つとメンタル的にも疲れますし、事故的に逆行して利確する前にロスカットに会うリスクも発生するからです。
テクニカル分析を勉強すると、こういった『相場がいつ勢いづくか』という視点も身に付き、エントリー・利確・損切りの精度が上がります。
理由④:結果、トレードが安定する
理由の4つ目は、『結果、トレードが安定する』です。
これはおさらいですが、テクニカル分析を勉強すると、トレードが格段に安定します。
その一番の理由は勝てる相場がわかるので、負けにくくなり、勝率が安定するからです。
正しいテクニカル分析の方法【意味ないとは言わせない】
それでは、最後に、正しいテクニカル分析の方法を説明しておきます。
- 分析方法①:パラメーターの多いインジケーターは使わない
- 分析方法②:長期足から順番に分析する
- 分析方法③:買い相場・売り相場・レンジを分けて分析する
- 分析方法④:一度に複数の手法を検証しない
この4つです。
では、順番に見ていきましょう。
分析方法①:パラメーターの多いインジケーターは使わない
分析方法のポイント1つ目は、『パラメーターの多いインジケーターは使わない』です。
なぜなら、パラメーターの多いインジケーターを使うと、パラメーターの設定値の最適化がテクニカル分析の目的になってしまうから。
テクニカル分析の真の目的は、プライスアクション(ローソク足の形や動き方)から、相場の投資家心理を読み解くことです。
移動平均線の期間設定は20がいいか25がいいか、を検証することではありません。
テクニカル分析の正しい勉強方法は、これです。
分析方法②:長期足から順番に分析する
分析方法のポイント2つ目は、『長期足から順番に分析する』です。
テクニカル分析を行うときは、必ず月足→週足→日足の順で、長期足から順番に分析してください。これはデイトレやスキャルが主戦場のトレーダーであっても同じです。
トレードには、『鳥の目』と『虫の目』の両方が必要です。
長期足チャートを見るとは、つまり『鳥の目』で相場を俯瞰するということ。
『鳥の目』で見ると戦場を広く見渡せるので、どこでどう仕掛けていくかが見えやすくなるし、自分の仕掛けたいポイントに機関投資家が伏兵を忍ばせていないかも確認しやすくなります。
分析方法③:買い相場・売り相場・レンジを分けて分析する
分析方法のポイント3つ目は、『買い相場・売り相場・レンジを分けて分析する』です。
すべての相場で共通して機能するという手法は、ありません。
手法を開発するときには、必ず『手法が機能する前提条件』を明確にすることが大切です。
テクニカル分析を行うときは、買い相場・売り相場・レンジ相場で分けて分析を行うようにしましょう。
分析方法④:一度に複数の手法を検証しない
分析方法のポイント4つ目は、『一度に複数の手法を検証しない』です。
過去チャートを使ってテクニカル分析を勉強するときに、まとめて複数手法を検証しようとする人がいます。しかし、これはおすすめしません。
なぜなら、このやり方をすると、『手法が機能しなかったとき』の分析を見落とすからです。
例えば、3つの手法を同時に検証する場合、
- この局面は、相場の動きを手法Aで確認できる
- この局面は、相場の動きを手法Bで確認できる
- この局面は、相場の動きを手法AとCで確認できる
という検証結果を得ることになるでしょう。
しかし、過去検証で真に必要になる情報は、『条件を満たしているのに、手法が機能しないパターン』の洗い出しです。
このイレギュラーの原因を考えて、条件の見直しや手法の見直しを進めていくことで、勝率が上がっていきます。
なので、一度に検証していい手法は1つまで、を意識してくださいね。
FXで『テクニカル分析を勉強しても意味ない』と言われる理由とその誤解まとめ
いかがでしたか。
この記事では、
- FXで『テクニカル分析を勉強しても意味ない』という人の誤解
- FXでテクニカル分析が必要な理由
- 正しいテクニカル分析の方法
を解説してきました。
この記事から、あなたの悩み解決への糸口が少しでも見つかれば、うれしい限りです。
では、また。