副業をやっているサラリーマンが増えてます。
副業が順調で、月に数万円稼げる人は個人事業主になることを検討してみるといいかもしれません。
会社を設立するには登記が必要ですが、個人事業主は税務署に開業届を提出するだけでなることができます。
開業届を提出し個人事業主になれば、大きな節税メリットを受けることができます。
本記事では、開業届とは何か、開業届を出すメリット・デメリットについて詳しく解説します。
ぜひ、最後までお付き合いください。
副業するなら開業届を知っておこう
開業届とは
まず「開業届とはなにか」について説明します。
開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。
個人事業主となるには、この開業届を納税地を所轄する税務署に提出する必要があります。
国税庁のホームぺージによれば、事業開始から1ヵ月以内に提出する必要があります。ただし、1ヵ月という期限を過ぎても罰則などはないようです。
記入項目は以下の通りです。
- 納税地(事務所・自宅の住所)
- 氏名
- 個人番号(マイナンバー)
- 職業
- 屋号
- 届出の区分
- 所得の種類
- 開業日
- 事務所等の所在地
- 届出書の提出有無
- 事業の概要
個人事業主と法人との違い
個人事業主と法人との違いを簡単に言うと、
・法人のほうが手続きや用意する書類が多い。
・そのかわりに、売上が大きくなった時の税負担が低い。
・年間所得が700万円あたりから法人のほうが税率は低くなる。
などがあります。
たとえば、以下のような比較になります。
法人 | 個人事業主 | |
手続き | 登記が必要(コスト負担あり) | 届出のみ(コスト負担なし) |
税率 | 地方税含め約30% | 住民税含め所得に応じて15~55% |
副業サラリーマンが開業届を出すメリット・デメリット
副業サラリーマンが開業届を出すメリット・デメリットについて説明します。
詳しくはこのあと解説しますが、副業の場合はデメリットはほぼありません。
開業届を出すメリット
副業で得た収入のほとんどは雑所得か事業所得の扱いになります。
なお、個人事業主としての所得は、基本的には事業所得となります。(ただし、実際には事業に営利性や継続性があるなど事業所得であると税務署に認めてもらう必要があります。)
個人事業主になることで得られるようになるメリットは次の通りです。
- 青色申告控除を受けられる
- 経費計上できる
- 損益通算ができる
- 損失額の繰りしができる
- 事業用の銀行口座を開設できる
- 補助金制度がある
では、順番に解説します。
青色申告控除を受けられる
開業届を提出することで「青色申告」をすることができ、青色申告特別控除として最大65万円の控除が受けられるようになります。
65万円の控除があるということは、「収入のうち65万円分は税金かけないよ」ということなので、かなり大きなメリットになります。
経費計上できる
副業に関係する経費は収入から差し引くことができます。
書籍の購入等や条件によっては家賃などを経費として控除することができます。
損益通算ができる
副業で赤字が出た場合、本業の給与所得などから損失を差し引くことができます。
つまり、本業で払う税金が少なくなります。
損失額の繰り越しができる
副業での損失を給与所得から控除しても損失が残る場合、青色申告であれば翌年に繰り越すことができます。繰り越すことができるのは3年間です。
事業用の銀行口座を開設できる
開業届を提出し、個人事業主となることで節税以外でもメリットがあります。
開業届を提出することで屋号名義の銀行口座を開設することができるようになります。
以下のような点で便利です。
・口座を分けることで収支管理がしやすくなる
・取引先へ振込口座を通知するときに屋号で通知することができる
補助金制度がある
個人事業主向けの補助金制度があります。
たとえば、コロナ感染症拡大に対する支援として用意された持続化給付金では100万円受け取ることができます。
開業届を出すデメリット
メリット・デメリットの両方を知ることに意味があると思いますので、開業届を出すデメリットについても紹介します。
ただし、会社員が副業で個人事業主人になる場合においては、あまり大きなデメリットにはなりません。気にしなくていいと思います。
失業保険が受けられなくなる
失業保険は、雇用保険に加入している会社員などが退職した場合、再就職先が決まるまでの一定の期間受け取ることができる保険です。
失業保険は、その名の通り失業している人がもらう保険なので、開業届を提出すると収入が0円であっても失業保険が受けられなくなります。
務めている会社が倒産しそうという人は、開業届を出すタイミングには気を付けましょう。
扶養から外れる可能性がある
開業届を提出すると扶養から外されてしまう可能性があります。
ただし、会社員として副業をしているうちはあまり関係ありません。
開業届は出したほうがいいのか
これまで述べてきたように、副業しているサラリーマンの場合、開業届を出して個人事業主となるメリットのほうが大きいです。
特に青色申告は税制上かなり大きいメリットが用意されています。
副業の収入が年間60万円を超えたぐらいで、開業届を出すかどうか考えてみるといいでしょう。
副業で開業届を出すメリットまとめ
本記事をまとめます。
サラリーマンの副業で開業届を出すメリットは以下の通りでした。
制度として用意されているものなので、しっかり利用していきましょう。
食わず嫌いは損することがあるので、要注意です。
では、また。